現金満タン、ハイオクで。

サブカルチャーがだいすき。ツイッターの延長なので詳しくはツイッターを見てくれ。

2021年11月もちょっと映画を観ていたから振り返るよ~

コロナに全てを殺されたので映画チャンスも失ったりする昨今ですが、ようやく文字の羅列を書く気力を取り戻したので、今月も文字を羅列させていこうかなと思います。

 

◆ ◆ ◆

『12番目の容疑者』

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12番目の容疑者 : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

映画『12番目の容疑者』公式サイト

殺人の追憶」のキム・サンギョンが主演を務め、1950年代ソウルの喫茶店を舞台に、店の常連客が殺された殺人事件の捜査を描いたミステリードラマ。朝鮮戦争休戦後の1953年。ある昼下がり、ソウル・明洞の細い路地にある喫茶店に、陸軍特務部隊上士のキム・ギチェがやって来る。彼は店の常連客である詩人ペク・ドゥファンが殺害された事件を捜査していた。やがて、同じく常連客の大学生チェ・ユジョンも殺害されていたことが判明し、他の常連客たちは互いに疑心暗鬼に陥っていく。

のむコレ'21にて上映された本作。


演出はさながら舞台(演劇)のようで、喫茶店のなかだけで話が進んでいくソリッドシチュエーション。なのでスキキライは分かれるというか、苦手な人もいそうだけど、韓国映画の根底にある薄暗く陰湿なノワール調が好きなひとはきっと好き。
韓国に限らず邦画もノワールものは結構得意だと思うけれど、韓国映画が過去の己の過ちを題材にしたときの「間違えてしまった過去の俺たち」のような雰囲気、そこに啓蒙や後世からの“正義”的視点を表にはあまり出さない、ただただ過去の過ちを暗く重くどこか切なく描くあの感じが詰まっている。

この映画は演劇調の演出とワンシチュエーションであることから若干冗長に感じるところもあるけど(特に序盤のあたりは)、舞台でぐるりと場面が転換するように状況が一転する中盤からはサスペンス的カタルシスがある。その真実はあっけないものではあるけど、その些細なことから当時の時代背景と相まった悲惨な顛末へ向かう様は見ていて痛々しく、全体的に貧しく寒々しい絵面がそれを際立たせる。

ナチス物に顕著だけど、欧州映画にも「過去の過ち」を描くものは多くて、だけれどどこか啓蒙が第一にあるような映画が多い印象を受ける。それが悪いわけでは決してないけれど、韓国映画の歴史もの(特に1930~1980年代頃)を描いた作品の、控えめだけど酷くショッキングで、哀愁に満ちていて、見終わったあとに胸にぽっかりと穴が空くような。あの感じが私は凄く好きなのでこの映画も楽しめました。『南山の部長たち』もとても良かった!

 

黄龍の村』

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黄龍の村 : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

映画『黄龍の村』オフィシャルサイト

「ファミリー☆ウォーズ」などで、バイオレンス映画の新たな名手として注目を集める阪元裕吾監督によるハードボイルドアクション。レンタカーでキャンプ場へ向かう優希ら8人の若者たち。その途中、山の中で車がパンクしてしまい、携帯電話の電波も繋がらず、助けを求めて歩き始める。トンネルを抜けてたどり着いたのは、包丁が頭に刺さった案山子がある奇妙な村・龍切村だった。馬に乗って現れた老人は車を直してくれると話し、優希たちを自宅へ招く。老人の家では3人の女性が律儀に出迎えてくれ、夕食や布団まで用意されていた。老人の半ば強引な誘いでその夜は泊まることになるが、翌朝、外の音で目を覚ました優希は、不思議なお面を被った村人たちが外を練り歩く姿を目撃する。

すみません、『阪元監督、てんさ~~~~~い!!!!(大笑顔)』以外言うことがないのですが、

(※下記若っっ干のネタバレ)

ジャンルとしては所謂「村ホラー」。ミッドサマーで最近世間一般にも広く市民権を獲得したような印象のある本ジャンルですが、昔からあってある程度やり尽くされたこのジャンルに監督の大好きなエッセンスをふんだんに盛り込んでやりたい放題をしたような、非常に小気味いい映画。
人によっては向いていないと思うし、最近流行りの「逆襲」ジャンルにも見えるかと思うのですが、良い意味でナンセンスバイオレンスなあらすじを非常にコミカルに心地よくエンターテインメントに仕上げている。

村ホラーとはいえ、そこにある村の決まりは推測するに早くても昭和頃に作られたのであろう、なんだか色々ちぐはぐで都合の良い代物。信仰心などなく、あえて気味悪く演出された儀式(それこそどこかで見たような)が行われ、その儀式もそこそこに突然始まるハンティング。呆気にとられる展開でありながら、全体的にコミカルで、そしてちょっと斜に構えたようなシニカルさがある。それがこの映画をただの弱者逆襲系村ホラーでは終わらせない、少しぴりっとしたスパイス的要素として成り立っている。

最近の名作って結構120分を超えてくるものも多くてなかなかに体力を使うのですが、これは非常にコンパクトに仕上がっていて、「観ていて面白い?じゃあそれでいいじゃん!」というシンプルでストレートな映画魂を感じる。
……というと小難しいようですが、要するに、ナンセンスバイオレンスであったとしても、演出がイケてて、観終わったあとに「は~なんか面白かった~」と何の気なしに言えるのであれば、それでもういいんじゃないかと。最近頭を使う難しい映画ばかり観ていたので、良いタイミングでの出会いでした。

あと、「これ、村の決まりやから」の汎用性が高すぎる。黄龍の村を観て以来、村の決まりだから深夜にピザをウーバーしてしまい、村の決まりだからポテチを食ってしまう。村の決まりだからしゃーないんよ・・・・・・・・

 

『ゾンビ・プレジデント』

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ゾンビ・プレジデント : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

「シッチェス映画祭」ファンタスティック・セレクション2021

台湾の国会を舞台に巻き起こるゾンビパニックを、プロレス技を取り入れたハイテンションなアクション描写で描いたホラーコメディ。台湾の国会・立法院では、化学工場の建設を巡って反対派と賛成派の審議が紛糾していた。そんな中、壇上に立った台湾総統が突如としてゾンビ化。ゾンビウイルスは瞬く間に拡散し、議場は地獄絵図と化す。武術使いの女性立法委員インインと彼女に片思いする新米委員ヨウウェイは、この地獄を生き延びるべく壮絶な戦いに身を投じていく。

大バカ天才サビだけ映画!以上!
シッチェス映画祭ファンタスティックセレクション2021にて上映された本作。

いやいやそんなに血を浴びたら感染するでしょ!?というレベルの血しぶき合戦、冒頭からエンドロールまで一切ブレーキを利かせないアクセル全開の展開、コミカルが過ぎるほどのキャラクターと色彩たち、それでいてラストのメッセージには「い、意外といいこと言うじゃん……」なんて思わされる。一切手を緩めないのでジェットコースターのように進んでいく、オタクなら笑えるような細部の演出でくすくす笑わされ、そしてなにより「これショーンオブザデッドで観た!」「ん、バイオハザードで100回観た~~!!」つってサビが一生続くような最高の感覚。終盤は少年漫画的なカタルシスがあり、最後のメッセージには意外とぐっときたり、最後の最後にはやっぱりね~と肩の力が抜ける笑いがあり。
これもまあナンセンスバイオレンスな感じなのですが、御託はいいからこの狂乱を観んかい!!という圧倒的な「圧」がある。

なんかようわからんけどおもろかったです。ようわからんが元気になれる。さすがシッチェス映画祭ファンタスティックコレクション。『キラー・ジーンズ』を買い付ける担当の審美眼に狂いはねえ。
台湾のゾンビ映画は初めて見たのですが、結構気合が入ってますね。よき。

 

『ベイビーわるきゅーれ』

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ベイビーわるきゅーれ : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

映画「ベイビーわるきゅーれ」二人は殺し屋その正体は監督:阪元裕吾 主演:高石あかり,伊澤彩織

社会不適合者な殺し屋の少女たちが、社会になじむため奮闘する姿を描いた異色青春映画。高校卒業を目前に控えた女子高生殺し屋2人組のちさととまひろ。組織に委託された人殺し以外、何もしてこなかった彼女たちは、高校を卒業したらオモテの顔として社会人をしなければならない現実を前に、途方に暮れていた。2人は組織からルームシェアを命じられ、コミュ障のまひろは、バイトもそつなくこなすちさとに嫉妬し、2人の仲も徐々に険悪となっていった。殺し屋の仕事は相変わらず忙しく、ヤクザから恨みを買ったことから面倒なことに巻き込まれてしまい……。

米津玄師の曲を聴いたときも「こんな歌詞オタクにしか書けねえよ……」つってるんですけど、ベイビーわるきゅーれ、めちゃくちゃ誉め言葉として「こんなんオタクにしか作れねえよ……」となります。

邦画はオワコンだとかつまらんだとか言うヤツの脳天にマシンガンぶっぱなして風穴を開けるような最高に最強な映画!2人の少女の華奢な背中に邦画の未来を背負っちゃえ!

端的に言うならば、ラララLOVEです。

人によっては駆け足だとか脚本がスピーディーすぎると評することもあるでしょうが、阪元監督の作品は冗長さがなく、ひたすらに展開が怒涛に進んでいく。私は飽き性なので、テンポの良さが非常に心地いい。
脚本自体はぐるぐる回るようにスピーディーに進んでいくのに、その中で描かれるちさととまひろのゆるゆるでぐだぐだな日常と会話は日曜日の昼下がりのような心地いい気怠さ。そこに容赦なく挟まれるバイオレンス。なのにそれらは乖離することなく、なぜか不思議な温度で混ざり合っている。

しかもアクションシーンに関しては、今年の邦画で一番かもと思わされるくらい、凄い。華奢な女の子がムキムキの男を吹っ飛ばすというリアリティのない演出ではなく、骨と筋肉と重力を感じる、痛々しく生々しいまでの格闘合戦。銃の飛び交い方はありえんレベルなのに、肉弾戦はやけにリアル。どちらも監督のこだわりをめちゃくちゃに感じる。もはやフェチズムなのでは。

本当に日本にもこんなシステマティックな殺し屋組織があったりして……なんて思わされちゃうくらい、日常と非日常が不思議と馴染んでいる。そこにちさととまひろの普通な思春期の日々が存在していて、めちゃくちゃありえない異常で非日常な物語のはずなのに、それが普遍性を持って出来上がっている。凄く異常で、凄く普通。

本当に思春期の多感な時期に観なくてよかった。ちさととまひろの唯一無二な関係性に憧れて、かな~~~~り痛いことになっていたと思う。だけどそれも多分かわいい青春なんですよね。マジで多感な時期に観てたらヤバかったです。ずっとコードギアスを抱えている女なので。

 

『キャッシュトラック』

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ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「スナッチ」のジェイソン・ステイサムガイ・リッチー監督が、「リボルバー」以来16年ぶりにタッグを組み、2003年製作のフランス映画「ブルー・レクイエム」をリメイクしたクライムアクション。ロスにある現金輸送専門の警備会社フォルティコ・セキュリティ社では、特殊な訓練を受け、厳しい試験をくぐり抜けた警備員たちが現金輸送車=キャッシュトラックを運転していた。そこに新人のパトリック・ヒル、通称“H”が警備員として採用された。採用試験の成績はギリギリ合格というレべルだったHだが、ある時、トラックを襲った強盗を驚くほど高い戦闘スキルで阻止し、周囲を驚かせる。そして、彼の乗るトラックがふたたび強盗に襲われると、Hの顔を見た犯人たちはなぜか金も奪わずに逃げてしまう。周囲がHの正体に疑心を抱く中、全米で最も現金が動くブラック・フライデーにフォルティコ・セキュリティ社に集まる1億8000万ドルの大金を狙う強奪計画が進行していた。

キャッシュトラック : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

映画『キャッシュトラック』オフィシャルサイト

「ジェイソンステイサムをガイリッチーが撮った映画」……以上だ!!

本当にあますことなくジェイソンステイサムだしあますことなくガイリッチーです。個人的には、決してつまらないわけではないし、歩きながら射殺するところなどの派手な絵面は見ごたえがあるし、「なんかジェイソンステイサムが観たいな~」「なんかガイリッチーが観たいな~」ってときに観たらおおむねその欲求は満たされる、そんな感じなのですが……本当に個人的には、全体的に薄味だなあと思いました。

本当にうまく言えないけれど「ジェイソンステイサムをガイリッチーが撮った」以外の感想が思い浮かばず。本当にそういう映画。若干……ガイリッチーちょっと突貫工事で作ったんか……?という気持ちになったり。

重ね重ねですが、決してつまらないわけではないです。

私がジェイソンステイサムもガイリッチーも好きだから変に期待しすぎていたのかもしれない。少し脚本が粗削りなのが、大振りなアクションと相性がよくなかった、のかも。しれない。つまらないわけではないです。

 

『聖地X』

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聖地X : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

夫との生活に嫌気が差した要は日本を飛び出し、兄・輝夫が暮らす韓国の別荘を訪れる。突然の来訪に驚く輝夫だったが、要の夫のだらしなさを聞き、妹の心の傷が癒えるまで一緒に過ごすことを決める。そんな兄妹はある時、「聖地X」と呼ばれる、奇妙な力の宿った未知の土地に、知らずに足を踏み入れてしまう。そこに入った者は精神を蝕まれ、謎の死を遂げていくという。有能な祈祷師も太刀打ちできず、悪夢はひたすら続く。忌々しい土地に根付く“約束された死”から逃れるべく奔走する輝夫と要だったが……。

ホラーな予告と違って、そんなにホラーではない。ただ結構当たりでした!!

友人は「ホラー漫画のホラーじゃない回」と言い得て妙な表現をしていましたが、端的に言うならば世にも奇妙な物語

せっかくならばもっとオール韓国ロケである点を生かしてほしくはあったけど、ところどころ笑いどころのあるコミックな脚本と不思議な浮遊感のある演出、そしてその根底にあるのは「人間を人間たらしめるものとは何か?」「人間の本質とは何か?」という骨太な問い。登場人物としてAさんBさんCさん……がいてそのひとたちの個々の物語が展開するという一般的な「物語」の体裁のなかに、それを一本筋で貫く問いかけが静かに横たわっているのが結構硬派でかっこいい。その硬派さは、この映画の「ホラーじゃない」と言われるほどのゆるくてちょっとくすりと笑える脚本演出に覆われて、全然嫌味じゃない。

ホラー映画ではときたまこういう「心霊現象を介した、人間の本質的探究」が描かれるものですが、それはかなり危うい綱渡りになりかねないもので、場合によってはホラーというジャンルそのものに喧嘩を売っていると解釈されることもある。だけど本作はそこにフォーカスしすぎずに、問いたいことは問いきっていて、カッコイイと思いましたね。

個人的には下半期の邦画では1,2を争う傑作なのですが、上映館が少なくてあまり世間的な話題になっていないのが悲しい。岡田将生川口春奈主演でミニシアター上映って、なぜ

 

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』

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ジャッリカットゥ 牛の怒り : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』公式サイト

怒り狂う暴走牛と1000人の村人たちが繰り広げる戦いを描いたインド発のパニックスリラー。南インド、ケーララ州のジャングルにある村。冴えない肉屋の男アントニが1頭の水牛を屠ろうとすると、命の危機を察した牛は怒り狂って脱走する。肉屋に群がっていた人々は慌てて追いすがるが全く手に負えず、暴れ牛は村の商店を破壊し、タピオカ畑を踏み荒らす。恋心を寄せるソフィに愛想を尽かされたアントニは、牛を捕まえてソフィに見直してもらおうと奔走。村中がパニックに陥る中、密売の罪で村を追放された荒くれ者クッタッチャンが呼び戻されるが、アントニとクッタッチャンはかつてソフィを巡っていがみあった仲だった。牛追い騒動は、いつしか人間同士の醜い争いへと展開していく。

正直、よく、わからなかった。が、「アリ・アスターが好き」なのだけはめちゃくちゃに分かってしまう映画。

シンゴジラゴジラに感情移入してしまう人間は絶対に観れない映画なのですが、とにかくとりとめのない住人たちの偶像劇が一頭の牛の脱走そして暴走を契機に、炎が力を増してうねりを上げるように膨張していき、取り返しがつかなくなり、狂気に陥った村人たちが大きな大きな一頭の怪物のようにすら見えてくる。

恐らく宗教的背景やインドの情勢を把握していればもっときちんと咀嚼し理解できたのだと思いますが(これ『バクラウ』のときも全く同じことを言っていたので、本当に自分の無知を痛感するばかりです)、私はインドにも宗教にも一切明るくないので、ただただその狂気を浴びることしかできず。

ともすればインディーズになりそうな粗い画面割りとおぼつかないカメラの揺れは、むしろ計算されたように、観ているこちらを酔わせてその村のよくわからん狂気のようなものに取り込まれていくような心地にさせる。

恐らく本作における牛はただの食物の肉としてだけではなく、個人の財産の象徴であり、そしてそれは単なる硬貨や金銀とは違う、我々が原始的な存在であったときから続く「財産」のことであると思うのですが、宗教のことをいかんせん分かっておらず。

ただその一頭の暴走牛を追う人間の姿は牛よりも狂暴で原始的で醜く、それでいて本能的であるがゆえにひたむき。ラストのほぼグリーンインフェルノな絵面も含めて原子からの人間に関する示唆的な意味合いがあることは分かる、のですが、私では咀嚼しきれなかった。

ただなんかマジで、アリアスターすきそ~~~~となります。「マジ」なのよ。

 

◆ ◆ ◆

以下、配信で観たりして記憶に残ってるやつ。です。

『EXIT』

韓国のある都心部に、突如として原因不明の有毒ガスが蔓延し、道行く人たちが次々に倒れて街はパニックに陥る。外が緊急事態になっていることは知らず、高層ビルの中で母親の古希を祝う会に出席していた青年ヨンナムは、そこで大学時代に思いを寄せていた山岳部の後輩ウィジュと再会する。しかし、そんな彼らのもとにも有毒ガスの危険が迫り、2人は地上数百メートルの高層ビル群を命綱なしで登り、飛び移り、危険な街からの脱出を図る。

映画館の大画面で観たかった~~~失敗した~~~~と思わず嘆いてしまったくらい、画面映えするド派手な映画。それでいて泥臭く一生懸命で、観終わったあとの後味はよく「私も頑張るぞ~~」という気にさせられる。肩の力を抜いて見られるので、このあと何回も繰り返し見てしまいました。芸は身を助ける、とは言うけれど。助けるにもほどがある。これは韓国映画でしたが、ネトフリオリジナルの韓国映画『生きている』も同じようなテイストでかなり面白かったな。やはりジェイソンステイサムでもロック様でもない一般人が身の丈でできることで必死にサバイヴする映画は面白いし、韓国映画ってそういうのが得意というか結構多い気がします。おもしれ~~~~ わたしがこの状況になったら一瞬で死ぬけど

 

『ある用務員』

暴力団員だった父を持つ深見は、父の兄弟分の娘・真島唯の見張りをするため、唯が通う高校で用務員として働いている。ある日、暴力団の抗争によって真島が殺害され、唯も命を狙われてしまう。戦場と化した学校から唯を救出するべく、深見は命がけの戦いに身を投じていく。

『ベイビーわるきゅーれ』のちさととまひろの前身がいると聞いて、観てみたくなって配信を買ってしまいました。阪元監督が殺し屋フェチなのはもう十分わかったのですが、それにしても殺し屋フェチが過ぎる。ゆるくて拍子抜けするような会話劇とバイオレンスアクションの緩急のつけかたが抜群にうまい。脚本自体は非常にシンプルで奇をてらったところはないのですが、手塚治虫スターシステムを想起させる「よく阪元監督の映画で見る俳優たちの、コミック的キャラクター』が脚本の非日常性に妙な立体感を与えていて、脚本も非日常的だしキャラクターも非日常的なのにあわさると妙に「そんなこともあるかもしれない」と思わされる。や~~~~~ここからベイビーわるきゅーれにいくと思うと感慨深いものがありますね

 

 

というわけで11月もお疲れ様でした。いまM-1見ながらCMの間にこれを書いています。年末やないか。1年、はや……この勢いだと5年後には老衰で死んでますね