現金満タン、ハイオクで。

サブカルチャーがだいすき。ツイッターの延長なので詳しくはツイッターを見てくれ。

2022年3~4月に観た映画の話をする

とはいえ3月殆ど観ていないので実質4月の記録です。4月もあんまり見ていないけど。

何を観ようとしても「でも真事故物件より面白いわけないしな……」と賢者モードになってしまう映画インポテンツと化していました。だって真事故物件より面白いわけないし・・・・・・・・・・

 

 

『アンビュランス』

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アフガニスタンからの帰還兵ウィルは、出産直後の妻が病に侵され、その治療には莫大な費用がかかるが保険金も降りず、役所に問い合わせてもたらい回しにされるだけだった。なんとかして妻の治療費を工面しようと、血のつながらない兄のダニーに助けを求めるウィル。犯罪に手を染めるダニーが提案したのは、3200万円ドル(約36億円)もの大金を強奪する銀行強盗だった。計画通りならば、誰も傷つけることなく大金だけを手にするはずだったが、狂いが生じて2人は警察に追われる事態に。やむを得ず逃走用に救急車に乗り込んだ2人だったが、その救急車はウィルに撃たれて瀕死となった警官を乗せていた。乗り合わせた救命士キャムも巻き込み、ダニーとウィルはロサンゼルス中を猛スピードで爆走することになる。

アンビュランス : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

Universal Pictures Japan

一切の無駄がない、136分でしかありえない136分。たぶん広辞苑で「冗長」をひいたら対義語に「アンビュランス」が出てくる。中だるみなど無縁の映画。

そしてただ派手なだけではない。全てが無茶苦茶なことになる滅茶苦茶でハチャメチャな映画ですが、とんでもなくハチャメチャなくせに「キャラクターの非現実的なタフさ」がない。全員に生身の人間らしい弱さと強さがあり、それが嫌味たらしくなく、こういったアクション映画が陥りがちな「いやあ、なんだか主人公が(肉体的であれ精神的であれ)タフすぎてリアリティないわあ」という欠点を感じづらい。ここに妙なリアルさがあるゆえに、手術シーンのようなありえない展開ですらすんなりと受け入れられる。

オチについては都合がよすぎる気もするけど、まあ終わり良ければ全てよし!

ありえんアクションとありえるキャラクターの融合で、136分が136分でしかありえないくらい無駄も過剰な詰め込みもなく整然となり立ち、これでもかと披露されるドローンによる変態的なカメラワークで完成された映画。

見た人には伝わるけど、かなり修二と彰です。泣いちゃう

 

 

『ナイトメア・アリー』

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過去にも映画化されたことのある、1946年に出版された名作ノワール小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を原作に、野心にあふれ、ショービジネス界で成功した男が、思いがけないところから人生を狂わせていく様を描く。ショービジネスでの成功を夢みる野心にあふれた青年スタンは、人間か獣か正体不明な生き物を出し物にする怪しげなカーニバルの一座とめぐり合う。そこで読心術の技を学んだスタンは、人をひきつける天性の才能とカリスマ性を武器に、トップの興行師となる。しかし、その先には思いがけない闇が待ち受けていた。

ナイトメア・アリー : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

ナイトメア・アリー|映画|サーチライト・ピクチャーズ

デルトロだからダークファンタジーかと思いきや『闇金ウシジマくん「カーニバルくん」編』です。

イヤ~~~なノワールがあますことなく描かれ、後味もわるいし、ずっと全てが小汚いのですが、なぜこんなに寂寞と切なさを感じるのか。デルトロらしく描かれる“クリーチャー”めいた人々の容貌に反し、中身はどこまでも悲しいまでに人間らしく、いわゆるダークファンタジー!!という風体ではないのですがものすごく面白かった。まあ、完全に闇金ウシジマくんなんですけども。

ちなみに、見おわった直後に座席を立とうとしたら、突然知らないおじさんに「面白かったですね」と言われてかなりびびりました。アッ……ヤバい人かな!?とかなり身構えたけど特に私を気にするそぶりもなく去っていったので、マジで「ナイトメアアリーが面白かったことを誰かと共有したかっただけの人」だったらしい。面白かったね。そういう魅力のある映画です。たぶん。

 

 

『女子高生に殺されたい』

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女子高生に殺されたいという理由で高校教師になった東山春人は、人気教師として日常生活を送りながらも、「完全犯罪であること」「全力で殺されること」が条件の理想的な殺され方を実現するため、9年間にわたって完璧な計画を練り上げてきた。平和な学園内で、着実に計画を進めていく東山だったが……。

女子高生に殺されたい : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

映画『女子高生に殺されたい』公式サイト

ケイタナカがマジでキモい。これ以外の感想ふっとんだ。すみません。他にないです。

美学こくなや!!と何回かキレそうになりましたが、終盤で正論くらって醜態さらしていてニッコリしましたね。うれしいー!最近ケイタナカはヤバい役多いな。自分は正しいと信じて疑わないナチュラルボーンヤバい奴の芝居がマジでうまい。たぶん、本人もナチュラルボーンヤバい奴の素質があるのかもしれない(名誉毀損じゃん)

 

2時間におさめるためにテンポは早いですが、まあ許容範囲。引き延ばされるよりずっと良い。

ちなみにあおいが古屋兎丸の実写化らしい顔をしていてよかったです。古屋兎丸のタイムラプスが観られるのでオタクは元がとれます。わたしもきみも、どうせライチ光クラブに呪われてんだろ。わかってるよ。

 

KKKをぶっ飛ばせ!』

1971年のアメリカ・テネシー州。無実の罪で投獄されていたブランドンは脱走し、姉のアンジェラに助けを求める。アンジェラは兄のクラレンスとともにブランドンのもとに駆け付け、彼を郊外の廃牧場にかくまう。しかし、その地域は白人至上主義団体「KKK」が活発に活動しており、特に黒人を捕らえてはその肉を食べることを趣味とする、異常な一派の拠点になっていた。3人は捕らわれてしまい、クラレンスが食われてしまう。監視の隙をつき、監禁されているアンジェラを救出することに成功したブランドンは、姉とともに復讐を開始する。

KKKをぶっ飛ばせ! : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

映画『KKKをぶっ飛ばせ』公式サイト

 

公式のあらすじが「イカれたレイシストどもをぶち殺す」なのが潔いし、本編もそれ以上の情報量が一切ないのも潔い。
ランタイム78分で、舞台設定を最初に提示したらさっさと殺戮はスタートして、マジで「イカれたレイシストどもをぶち殺す」だけが続く。

あらすじ以上の情報量が一切ないうっっっすい映画なんですけど、これは斜に構えているわけでも皮肉でもなく、非常にストレートな誉め言葉です。

古きよきスリラーにありがちなピコピコテロテロしたシンセが聴けるので、勝ち確。

演出としてはブラックプロイテーション映画をパロディし、それでいてオマージュを捧げるのは70年代B級……いやC級映画。「『ゲットアウト』『アス』を超える衝撃!」って、それもうちょっとジョーダン・ピールのことイジッってへんか?わるいな?

 

イギリス映画ながら全編KKK発祥のテネシー州で撮影されているらしく、イギリス映画なの「わかる~~w」になるし、TOCANA配給なのも「わかる~~w」になる。私はここの制作スタジオを初めて知ったのですが、ダークテンプルモーションピクチャーズという名前をエンドロールで見て、「絶対ジャンル映画しか作ってないだろ!!」と思いましたね。

 

KKKを観終わって外に出たら、噴水の前でブラスバンドが演奏をして通行人たちが手を取り合って踊っていた。“世界観”の“差”におしっこ漏らした。

 

『マリー・ミー』

世界的歌手カットと彼女の恋人である音楽界の新星バスティアンは、ファンの前で華々しく結婚式を挙げようとしていた。しかし式の直前、バスティアンの浮気が発覚。失意の中ステージに登壇した彼女は、客席にいた見ず知らずの数学教師チャーリーを指名し、突然プロポーズするという驚きの行動に出る。カットを取り巻くスタッフやマスコミ、ファンが大混乱に陥る中、互いを知るところから結婚生活を始める2人だったが……。

マリー・ミー : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

Universal Pictures Japan

kkkとハシゴして観た。

 

このご時世にはやっぱり肩の力を抜きたい、負荷のないストレートなラブコメ

宣伝では「逆シンデレラストーリー」という謳い文句が目立ったけど、構造自体は古典的なおてんばプリンセスと庶民男のラブストーリー♡に近い。
実際に男女が逆という意味では逆シンデレラストーリーではあるけれども、それはセックスの話で、ジェンダーとしてのミラーリングではない。これ男女逆だったらモヤるな~というシーンは多々あったんですけど(グラミーかかってるからって元恋人とのラブソングをデュエットすんなよ!絶対ツイッターでバッシングされるからよしなって!)、そもそもの構造が古典的なストーリーなので、少女漫画で育って意外とストレートなラブコメが好きな私としては、悪人もいないし負荷もかからないし気楽に観られて楽しかったです。
キャット、自立心バリバリの超気の強い都会的女性としてキャラ付けされているのかと思って観に行ったのですが、完全におてんばプリンセスでしたね。
浮気男は居るけど、悪人的なストレスは発生しない。

そういった映画なので、起承転結の「転」に相当するもの……ラブストーリーなので2人の破局が若干盛り上がりに欠けるというか、全体的にスナックな感じは否めないですが、私は頭からっぽにしてみたかったので程よい手軽さでした。重厚なラブコメを期待する人からすれば物足りないかと思うけど、正直ちょっと映画におけるメッセージ性の強さに疲れてしまっている最近なので、マジでこれは負荷ないストレートなラブコメで良かったです。

 

いや~~あやうくシンウルトラマンまで何も観られないインポテンツとして生きるのかと思いましたね(シンウルトラマンは観る)(オタクだから)

ほなまた来月、生きてお会いしましょう。さよなら~