現金満タン、ハイオクで。

サブカルチャーがだいすき。ツイッターの延長なので詳しくはツイッターを見てくれ。

2020年8月に観た映画を振り返る

こんにちは。そんなこんなで会社を辞めて以降求職もしていないのにずっと続けていた仕事も休職をしている私です。自分の危機感の無さが一番恐ろしいのですが、若い女の子が知らない業界で奮闘する系のお仕事ドラマや漫画を見ると具合が悪くなるようになりました。肌荒れと目の腫れと全身の倦怠感と肩こりと腰痛が治りません!助けてください!というわけで今月はあまり映画を観ていませんがこれからもエンタメにすがって生きていきたいです。

(8/31追記:そんなこんなで足もやって全治2週間になりました)

ちなみに最近嫌いなものは「スキップさせないぞ」みたいなことを言うメタ的なユーチューブCMと芸能人が早口で漫画の感想を述べるだけの漫画サイトのCMです。

海底47m 古代マヤの死の迷宮』

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海底47m 古代マヤの死の迷宮 : 作品情報 - 映画.com

映画『海底47m古代マヤの死の迷宮』 公式サイト

親同士の再婚で姉妹になったミアとサーシャ。まだどこかぎこちない娘たちの距離を縮めようと考えた父親の提案で、2人は週末に行われる船中からサメを鑑賞するツアーにでかける。当日、現地で偶然友人たちと出会った2人は、マヤ文明の遺跡が眠る海底洞窟を目指すケーブダイビングに誘われ、海に潜ることに。神秘的な海底遺跡に目を奪われる2人だったが、複雑に入り組んだ遺跡を前に迷子になってしまう。そして、そこには盲目の巨大人喰いサメがいた。

海洋恐怖症というものが巨像恐怖症などとともにインターネットで知名度を上げて久しい昨今。前作『海底47m』でサメはもちろんのこと海の深さ、人間の認知を超えた海の大きさにゾッとさせられたのは記憶に新しい。海洋恐怖症の人間には耐えられない映画でしたね。その続編と聞いて正直「エッ続編ってどうやって?」と思ったのはたぶん前作を観た人共通の感想とは思いますが、本作を観て真っ先に抱いた感想が、「よくぞここまで方向性を変えられたな!!!」ということ。

今作は、前作にあった「真っ青で真っ暗でなにもない海の中に自分1人漂う漠然とした恐怖」を切り捨てて、海底遺跡の窒息しそうなほどの閉塞感」を作り上げている。こういった根本的な舞台設定が前作のままであればおそらく飽きてしまっていましたが、前作でウケた要素を切り捨てて舵を切れたその覚悟が凄い。前作の続編っぽいかと言われたら微妙ですが、閉塞感の恐怖から開放空間に出たときの恐怖、展開に次ぐ展開、ホラーサスペンスとしてきちんと練られた演出だと思いました。ラストの逆襲も良い。まあこの手の映画って、モンスター側もよく考えたら悪いことしてないからちょっと同情してしまうのですが、それでも仲間たちの無残な死に様を見せられたあとのこの内気な少女の逆襲は非常にスカッとするものがある。

盲目サメの盲目っぷりをもう少し押し出してほしかったですが、期待と不安を抱かれたこの続編でこの出来は十分良いものだと思います。次作があったらどんな舞台装置に変えるのか、そんな楽しみもある。

私が行ったときは殆どお客さんいなくて悲しかったけど、そのぶん思う存分ポテトをむさぼれました(デブしぐさ)

 

 

『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』

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ディック・ロングはなぜ死んだのか? : 作品情報 - 映画.com

映画『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』公式サイト

売れないバンド仲間のジーク、アール、ディックは、練習と称してガレージに集まり、いつものようにバカ騒ぎをしていたが、ある原因によってディックが突然死んでしまう。誰もが知り合いの平穏な小さな田舎町では、事件の噂がまたたく間に広がり、人びとの話題はディックの死でもちきりになる。殺人事件として警察が捜査を進める中、ディック死亡の真相を知るジークとアールは、なぜか彼の死因をひた隠しにし、自分たちの痕跡を揉み消そうとする。

 「スイスアーミーマンの監督!?ほな観なあかんな!」とスキップで向かった本作。監督からしてまあ一癖どころか100クセくらいある映画なのは予想できましたが、とにかく「ブラックコメディ」という言葉ではまとまりきらない。そのあまりにバカな死因も、それを必死に隠し通そうとするバカたちのバカな行動も、それにまつわる人々も、あまりにもバカで仕方ないのにとても必死で賢明で、主人公たちのどうしようもないバカな隠蔽工作の連続が「現実の殺人(これは殺人じゃないけど)ってこんな感じなんだろうな」と思わされる圧倒的な生々しさがある。

 バカでバカでアホでバカなコメディなのに、そのラストに哀愁と悲壮感があって、観ているとむずむずして「生きていくって何かなあ」と考えてしまったりする。

「人間は計り知れない」という台詞があるけどまさにその通りで、私たち人間って計り知れないですね。計り知れない欲望、計り知れない秘密、計り知れないほどの馬鹿、計り知れない愚直さ、めちゃくちゃアホで馬鹿でしょーもない真実にそんなことを考えさせられることもある。

私は人様に言える死に方をしたいナ。

 

 

『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』

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ジェクシー! スマホを変えただけなのに : 作品情報 - 映画.com

映画「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」オフィシャルサイト

子どもの頃からスマホ依存症で、恋人も友だちもいないフィルが、スマホを機種変更した。新しいスマホにはすべての個人情報を把握し、生活すべてをコーチングする機能「ジェクシー」が搭載されていた。うだつの上がらないフィルの生活のすべてを一方的にコーチングするジェクシーに、フィルは振り回されるが、やがてジェクシーのおかげで恋人ができ、生活は劇的に変化していく。しかし、ジェフに恋人ができた途端に嫉妬に狂ったジェクシーが豹変し……。

開始1秒から終了までずっと下ネタ!!!イくぜ!!!という映画。やったぜ!

脚本自体の粗をつつけばいくらでもつつけるし、予想を裏切らないつまらん映画と行ってしまえばそれまでなのですが、軽快でばかばかしい下ネタの連続にぶちこまれるスマホの罠、冷静に考えたらオチも含めてゼロ年代世にも奇妙な物語で放送されてトラウマ作品と呼ばれかねない、恐ろしく描こうと思えばいくらでもそう描ける、そんな映画なのにどこまでもブチ抜けて明るい!!!

スマホがストーカーになるというままありふれた設定ではありますが、そのコミカルで楽しい作風は面白かった。スマホ依存症に立ち向かう男の物語、馬鹿にできない!明日Siriにストーキングされるのは明日の私たちかもしれないですネ。スマホ依存症、なおらんなあ……。

ちなみに私はこれを暇すぎて始めたマッチングアプリで知り合った男性と観に行ったのですが、そいつが映画上映中にスマホをいじりだしたため、オメェもしかしてこの映画側の仕込みけ!!??と思いました。はい。それ以来LINE無視してます。

 

 

『ディヴァイン・フューリー/使者』

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ディヴァイン・フューリー 使者 : 作品情報 - 映画.com

映画『ディヴァイン・フューリー/使者』公式サイト|8月14日公開

幼少期に事故で父を亡くし、そのせいで神への信仰を失ったまま育った総合格闘技の若き世界チャンピオンのヨンフ。ある日、彼は右手に見覚えのない傷ができていることに気づく。傷について調べるうち、何かに導かれるかのようにバチカンから派遣されたエクソシストのアン神父と出会ったヨンフは、自身の内に秘められた正義の力の存在を知り……。

韓国映画、外れなさすぎて怖くなってきた。 

あらすじを読んだら分かる通り非常に我々の中の中学2年生が疼いてしまう映画なのですが、そんな少年漫画的なかっこよさとロマンをぎゅっと凝縮してイケメンのエッセンスを振りかけて「御託はいいからかっこいい演出が見てぇんだよ!」という欲望に正直な演出で包み込んでいる、そんな映画。なのでメチャクチャ脳みそに直接「かっけぇ!」がぶちこまれる。クール。

ネタバレになるので詳しく言えないけど、ラスボス戦の演出ったらないよ。若干あっさりとしているという点は感じましたが、それでも私は脳汁溢れるかと思いました。ハァッ…………ハァッ…………ンかっこいい………………死…………ハァ………………アタシも右手に聖痕あらわれないかな…………。

ちなみに一番のおススメポイントは、それまでずーっと車で移動していた主人公がラスボスのところに向かうときだけ突然かっけぇバイクで移動するところです。おま、バイク持ってたんかい。でも車じゃなくてバイクで颯爽と向かってほしい気持ち、分かるよ、中学2年生だから……。プリキュアより仮面ライダーになりたかったクチだし……。

さらに余談ですが、私はこれを平日15時の回に観に行ったにも関わらずソールドアウト、お客さんの9割以上が女性で、パンフレット等も完売していました。なるほどね!私はパク・ソジュンのオタクじゃないよ!私がラス1のチケットを購入したせいでタッチの差で買えなかったお姉さん、ごめんなさい。あのとき隣でチケットを買っていたオモコロTシャツを着た女は私です。

にしてもパク・ソジュンってかっこいい~~~~~!!くりくり二重の童顔が好きな私でもドキッとしちゃいましたネ。

 

インセプション

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インセプション : 作品情報 - 映画.com

【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|インセプション

人が眠っている間にその潜在意識に侵入し、他人のアイデアを盗みだすという犯罪分野のスペシャリストのコブは、その才能ゆえに最愛の者を失い、国際指名手配犯となってしまう。そんな彼に、人生を取り戻す唯一のチャンス「インセプション」という最高難度のミッションが与えられる。

馬鹿だから中盤以降の夢の下りわからんかったけどフゥンおもしれ~映画 

思考実験として有名な「水槽の脳」や世界五分前仮説を私はまず想起したのですが、そういった「現実」に対して懐疑的な人間からしたら夢のようでもあり悪夢のようでもある映画

『TENET』が上映されるので再上映されていて、やっとこさ初めて観たのですが、渡辺謙めっちゃメインキャラでびっくりした。渡辺謙が出ていることすら知らなかった。ハリウッドのゴジラに出て役者たちのガッズィーラ発音を訂正させた男ということしか知らず、なんか毎度毎度不倫してんなぁくらいの印象しかなかったのですが(すまんな)、インセプションにも出てたんですね。日本人にしては海外では知名度あるけどあくまで「日本人にしては」であって海外知名度ほぼゼロだと思っていたのですが、もしや渡辺謙って有名なんですか?そうなんですね。

しょっぱなから始まるアメリカ人が想像するトンデモジャパニーズの連続にニヤニヤが止まらなかったのですが(外国人の描いたズレたジャパンが大好きです)、渡辺謙が国際指名手配のディカプリオの過去を抹消して市井に戻せるくらいの世界的権力を持っているにも関わらずなぜか名前が「サイトー」なのが好きだし、そんだけの権力者なのにちゃんと夢の中についてきてミッションも協力してくれて死にかけるし約束は守るし、この渡辺謙は部下の話を聞く系の社長だろうなと思った。いいヤツじゃん、お前。

まあ馬鹿なんで中盤以降の夢に関してはキックがどうとか時間差がどうとかよく理解できてなかったんすけど、それでも面白かったです。TENETも楽しみですね。

ちなみに冒頭でTENETの映像が流れるのですが、普通にインセプション本編だと勘違いしていて、エッ始まったのに映画館の電気消えないよ!?言いにいった方がいいかな!?なんでみんな普通にしてるの!?言いに……行くよ!?いいね!?行くよ!?と決心したところで映像が終わり、余計な恥をかかずに済みました。にしてもオシャ演出かもしれんが誤解させる演出は私のために慎んでくれや(怒)(怒)

 

 

『事故物件 恐い間取り』

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事故物件 恐い間取り : 作品情報 - 映画.com

事故物件 恐い間取り | 大ヒット上映中!!

売れない芸人・山野ヤマメは「テレビに出してやるから事故物件に住んでみろ」と先輩から無茶ぶりされ、テレビ出演と家賃の安さから殺人事件が起きた物件に引っ越す。その部屋は一見普通の部屋だったが、部屋を撮影した映像には謎の白いものが映り込み、音声が乱れるなどといった現象が起こった。ヤマメの出演した番組は盛り上がり、ヤマメは新たなネタを求めて事故物件を転々とする。住む部屋、住む部屋でさまざまな怪奇現象に遭遇したヤマメは「事故物件住みます芸人」として大ブレークするが……。

 おま…………実話を名乗るな!!!!!!!!

元々原作本を読んだ限り映像化は難しいと感じていたので、正直全く期待していなかったけど、それにしても期待を下回ってこないでほしい。悲しく、なるので、、、、、。

原作本の良さというのは、間取り+そこで起きた出来事が淡々と描かれる「無機質な怖さ」があり、それは「平面的」である本という媒体で成立するものだと思うのですが、「立体的」に描くことが売りである映画という媒体とそれが悲しいまでに相殺しあっていたように感じました。映画にする以上ある程度一貫したストーリーが必要だけど、それは原作本の淡々とした無機質な恐怖とは非常に食い合わせが悪い。本当に……なんつーか……悲しい……。映画で描かれているストーリーのクオリティの問題はもちろんあると思いますが、それ以前の問題として本当に映像化との相性が悪い。なんでもかんでも映像化すな……。

ただ映画化にあたり原作の設定のみ使って他はフル無視ということもできたのに一応原作本の事故物件の設定を使っているあたり、一応「実写化」の体は保とうとしたのかなとか考えてしまい、批判するには忍びないんですよね。いやまあ、シンプルに映画の出来として、私はつまらんなと思いましたが……。

ラストの謎バトルで胡散臭い江口のり子と胡散臭い高田純次が乗り込んできて敵を倒してくれたらある意味スタオベしたのですが!

映画を観るにこういうテイストで作るのであれば、白石監督に作らせてほしかった

終わってから後ろに座っていた男子たちが「なんのジャンル!?つまんね~!」とドハッキリ言って帰っていったのが印象的でした。いや、まあ、うん、、、、、、、。

 

 

ちなみに9月の目標は全治2週間の足を治すことと月見バーガーを食べることと働くことです。